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【あらすじ・見どころ】『ザ・ファブル』 南勝久

 

 

 職業・殺し屋。ただいま一年間の休業中。

 

 映画化もする話題の一作。

 

 

 

 

〈あらすじ〉

 

 裏社会に潜む殺しの天才・ファブル。政治家や社長など幾人もの大物を闇に葬ってきた。

 

 ボスからの次の指令。身を隠すため、一年間の休業。

 その一年を利用し、初めての土地で初めてのことを経験する。普通に生きている人間を学ぶことで、さらに腕を磨くように指示される。

 

 そこで課せられる制約はひとつ。「殺しをしないこと」

 

 殺しのプロが新天地・大阪にて一般人として生きていけるのか。

 ギャグあり、アクションあり、恋愛あり?のハラハラドキドキストーリー!

 

 

 

 

 

 

 

〈見どころ〉

 

見どころ① ファブルが強すぎる

 

 特筆すべきはここ。ファブルが強すぎるということ。

 それは殺し屋としても、彼の個性としても。

 

 序盤から見せる技術の数々は目が離せない。一発で脳天を打ち抜く銃技術、アクロバットな動きにも対応できる身体能力、そして接近戦での格闘。どれをとっても超一流。これ以外にも「殺しのプロ」らしい技術をたくさんもっている。

 チンピラとも戦いますがどれも圧勝。読んでいて痛快ですね。

 

 それでいた完璧でないのがどうも好感が持てますね。確かに殺しの技術に関しては完璧ともいえる能力を持っているのですが、彼自身の性格はボケッとしており、どこか柔らかい雰囲気を感じます。

 

 チンピラに絡まれても、自分の強さをわかっているのか、それとももあまり考えていないだけなのか華麗に受け流すのがかっこよくもあり、和むところではあります。

 

 

見どころ② 翻弄される人々

 

 先ほどはファブルの視点からみていきましたが、次は巻き込まれる側から見ていきたいと思います。

 

 ファブルが休業のためお世話になるのは、真黒組という組織です。

 伝説の殺し屋がやってくるということで真黒組の組長と若頭はもう大慌て。しかも殺し屋ということがバレないよう、ファブルの正体を知るのはその二人だけ。部下たちはその正体を知らされないまま活動をします。

 

 

 しかし、その存在がどうにもも気に食わない若頭は、部下を利用してファブルを見張らせます。

 

 部下はファブルの見張りを命令されますが、その得体の知れない人物に翻弄されていきます。追い詰めようとするもの、憧れを持つもの。

 

 ただ自由に生きたいファブルに対して、周りは関わろうとするもすべて空回り。コントチックな描写もまた面白いところだと思います。 

 

 

 

 

 結局のところ、一般人に紛れ込もうと奮闘するも、トラブルに巻き込まれまれるというのは職業柄仕方ないのでしょうかね。彼には暫しのバカンスを楽しんでもらいたいとは思いますが、平穏に一年間を過ごすことができるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

見どころ③ 目指すは一般人

 

 「プロの殺し屋」から一般人へ。社会に混ざろうとするうちに、ファブルは人間らしさを身に付けていきます。

 

 ペットを飼い、仕事をはじめ、人間関係を構築し始めます。その経験が一年後に吉と出るのか凶と出るのか。ファブルは殺し屋を続けていけるのか

 

 彼の心情の変化は大きな見どころだと思います。

 

 

 

〈総評〉

 

 周りを巻き込む休業中の殺し屋。設定から面白いなと思っていましたが、内容も十分面白いです。

 アクションともいえるしギャグともいえるし、人間ドラマといわれればそんな気もするしと、要素がたくさん詰まっています。

 

 続きが気になるマンガということはよりかは一話一話にボリュームがあって、それぞれかなり見ごたえがあります。

 

 個人的にマイナス要素はほとんどありませんでした。

 ということで86点!! おすすめ度はかなり高いです!

 試しに1話読んでみてください!

 

 

 

 

〈書籍情報〉

 

 南勝久 『ザ・ファブル』 講談社