【あらすじ・見どころ】『炎炎ノ消防隊』
〈あらすじ〉
東京皇国ではとある現象に苦しめられている。
人体発火現象「焔人」。体から突然発火を起こした人間のことで、「焔人」となった者は自我を失くし辺り一帯を焼く尽くす。
それに対して一部の人間は炎を操る能力や炎を発生させる能力を手に入れた。そこで、「焔人」対策として「炎を操る者」たちを集めて、「特殊消防隊」が結成された。
特殊消防隊の新人・シンラも、そうした人々を救うために命を懸けていた。
「俺はヒーローになる」
そんな決意とともに、シンラは母と弟が亡くなった火事の真相を暴こうとする。
豊富な戦闘シーンが特徴的!あの『ソウルイーター』作者の大久保篤先生が描くSFバトルマンガ!
〈見どころ〉
見どころ① 多彩な能力バトル
炎を操るだけなんて、どれもこれも似たり寄ったりな能力になる
そんな考えは一切捨てて読んでいただきたい。
人類が最初に発見した革新的技術。それが炎。だからこそ汎用性から応用性まで幅が広い。
主人公のシンラは足から炎を出すことができる。そのため、空中での格闘や機動力を生かした連続多段攻撃が魅力的だ。
ライバルのアーサーは、炎からプラズマを発生させ、超高温超密度の炎の剣を使いこなす。
それ以外にも可燃性バスを封入しと能力熱たガムを飛ばしバックドラフト現象を発生させたり、熱をを利用して敵を凍らせる能力などなど。炎に限られるため一辺倒なストーリーになると思いきや、結構何でもできちゃうのである。
なかなか奥深い。
シンプルな肉弾戦から能力バトル、さらには頭脳戦などバトルマンガのフルコースである。
見どころ② 緩急のある魅せ方
長期連載をしていただけあって構成力も半端なくうまい。もう流石としか言いようのない魅せ方である。
g 以前にも話したのだが、マンガの見やすさだったり画力の高さは「どれだけ余白を生かせるか」というのが私の持論である。
効果線を引きすぎるわけでもなく、きちんとここぞ!という場面で使っているおかげでスイスイ読み進めることができる、その余白が多い場面からの動きのあるシーンは迫力がある。
また月間連載していたためか、次週への余白というのも非常にうまい。
「次の展開どうなるの?」という所で次週に続くので、ワクワク感がたまらない。
見どころ③ 対するは巨大な悪
シンラたちは消防活動を続けていく中で、巨大な陰謀に近づいていく。
さらには特殊消防隊内でも対立が発生、中にはスパイまで見つかる。
「焔人」は何故生まれたのか。
シンラの母と弟は何故死んでしまったのか。
その裏で暗躍する組織とは何か。
徐々に明かされていく秘密。バトルマンガ好きなら必見!
〈総評〉
シンプルな王道バトルマンガ。それほど癖があるわけではないので、万人が見て面白いと感じるのではないかと思った。ただ、ほぼ同期の『僕のヒーローアカデミア』と少し内容が近いのが唯一の残念ポイント。こればっかりはしょうがない。
しかし、問題はそこだけ。実力もある先生の作品だけに、総じて面白い。重すぎず、軽すぎないダークファンタジー加減が、バトルマンガ好きにはたまらないだろう。さらに2019年夏アニメにもなっている注目の一作でもある。
アニメが始まる前の予習にも原作を読んでみてください!
〈書籍情報〉