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『宇宙よりも遠い場所』期待していたものとかけ離れすぎていた

 

 こんにちは、ミヤムラです。

 今回は前回の続きということで、また『宇宙よりも遠い場所』の批評を書いていきます。

 

 

 

 前回の記事を見ていない方はこちらから。

 読んでいない方、少なくとも〈はじめに〉という所は絶対に読んでください。これから批評するうえで留めておきたい点がいくつかあるので、読んでからでないと誤解されかねない点がいくつもあるので。

 

honnosusume.hatenablog.com

 

 

 それでは今回も感想をずらずら書き連ねていきたいと思います。

 

 

 批評だけ見たいという方は下の記事から↓

 

honnosusume.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈初めて見たときの感想〉

 

〈第7話〉

 

 

 ようやくオーストラリアに辿り着いた4人。

 ここでもシラセがやってしまうんですよね。リポートの練習を始める4人。シラセの性格とか人柄を考慮すると仕方ないのかもしれませんが、なかなかにインタビューがひどすぎる。いや、もっと練習して来いよ。何のために南極に行くんだよ。 取材に行くのにそれはないだろ、というひどさ。この人たち、南極に遊びに行くのかな?

 

 

 そしてここでさらなる疑問。何故ディレクターがいないのか。これ結構な疑問なんですよね。

 女子高生4人を中心とするから仕方ないのかもしれないけど、にしても不自然すぎるというか。設定といえば設定だけど、限度があるというか。

 

 私はテレビ局でアルバイトをしているのですが、ロケの際にはディレクターさんが同行するのが一般的です。

 素人にはテレビっぽい質問も、テレビっぽい構図もわからないのがふつう。南極という場所に行くならばなおさら必要なはず。機材の管理などを含めて、ディレクターという大きな存在がいないのは納得できませんね。素人といってもYouTuberなどであればまだわかりますが、所詮彼女らはただのド素人。

 南極に行くという一大プロジェクトなんだから同行させるべきというのは当然では……?そんな女子高生4人同行させるのであれば、それぐらいの余裕あるでしょ……。 

 

 

 

 

 しかし、このあたりからがこの作品の見せ場、南極への旅路と生活を描くところ。目的地が段々と近づき、作品としてボルテージはさらにあげていくはず。

 8割惰性でみていますが、わずかな期待を胸に続きを見ることに。

 

 

 

 

 

〈第8話〉

 

 

 これはスタート地点のオーストラリアを出発したあとのこと。

 ここでシラセのリポート本番が描かれるわけですが、もうひどすぎる。これは寸劇なの?漫才なの?といレベル。これがギャグメインのアニメならわかりますが、これは仕事でやっているのでは?。彼女らは遊びで南極に行くのか、ということを強く押し出され、結構ショックでしたね。南極に行くためならシラセは何でもすると思っていたから。きちんとしたリポートも練習とか頑張ると思っていただけさらにショックが増加しましたね。

 

 もうこの作品においてシラセはだめだと確信し回ですね。せめてそんなにひどいならディレクターとかつけようよ。

 

 

  

 

 そして、南極に向かう準備として、船上での運動が始まります。

  しかし、すぐに4人はばててしまいます。いやいや、体力なさすぎ。南極に行くためになんの準備もしてないのか?隊長とか大人に何も言われていないのか?遊びで南極行くんじゃないんだぞ。南極での活動は過酷ではないのか。

 そんなこともつゆ知らず、キマリはすぐに弱音を吐きます。南極に行きたいのなら、少しぐらい努か力をしろよ。なんか仕事で南極に行き人たちが懸命に努力しているのに、こんな人たちが南極に行って大丈夫か?

 

 

 船は次第に南極に近づき、船旅は過酷さを増していきます。荒波に飲まれ、4人は船酔いに悩まされます。

 

 しかしここで、かなえさんが4人を心配して声を掛けます。というのも、南極に向かいさい海流が速すぎて船が大きく傾くらしいのです。そのため、部屋に置いてあるものは固定しなくてはいけないということを知らせてくれました。

 

 いやこれもさあ、あらかじめ知るべきことでしょ。パソコンとか普通においていたけど、船揺れすぎたらさすがに壊れるよ。なんでそこまで知識がないんだ。これは最低限の知識だと思うんだけど。

 

 夜になっても船酔いのせいで寝付けない4人は、次第にしっかり航海できるか不安になってきます。

  ユヅキは屈強な船員たちを見て「なれるんですか、あんなふうに」と不安をこぼします。船酔いだけはしょうがないと思うし、不安になるのもうなずけます。

 

 

 「がんばるしかないでしょ、他に選択肢はないんだから」と答えるシラセ。そうだ。南極観測隊として頑張るべきなんだよ君たちは。目の前のことを一つずつこなすべきなんだ。ようやくここで4人の成長が描かれるのかと、一気に期待が膨らみます。とその瞬間。

 

 「そうじゃないよ」とキマリが話します。(なんだなんだ、何があるんだ)

 ワクワク感と不安感が混ざり合った感情。ここからやはり見せ場が来るんだ。

 「選択肢はずっとあったよ、でも選んだんだよ、ここを」(おうおう、そうだな……)

 「選んだんだよ、自分で」(良いこと言いうじゃん)

 そして感動的なBGMがかかり始める。

 「よく言った!」とヒナタ。ヒナタが不意に立ち上がるので、ユヅキがどこに行くのかと尋ねる。

 「トイレ」

 

 

 は?????なんだこれ??

 なにこの生産性がない会話。何がしたかったんだよこのシーンは。確かに選んだのは君たちでしょうが。でも選んだくせして、この船の感局に何一つ適応できていないじゃん。船酔いは仕方ないとしても、運動能力もない、船のルールについても認識不足。

「(自分たちが努力するという)選択肢はずっとあったよ。でも(それなのにこんな努力と準備が不足した)道を選んだんだよここを。(だからこそ今私たちは変わらなきゃいけない)」

 そんな意味でキマリはいったのかと思ったら全く関係ない。しかもこの名シーンにもなり得た最後がトイレオチって。どんな3流ドラマなんですか。結局さっきのシーンではなにがしたかったんだ。ただ「船のみんな強~い。でも私たちはこの船乗っちゃったんだし、我慢するしかないよね。乗るって選択したんだもん。あ、もちろん努力はしたくな~い」というニュアンスに聞こえます。

 そして最終的にはトイレオチ。なんだこれ。なんだこの茶番よりもひどい話。

 ここまでひどい展開になるとは、感心すら覚えますね。

 

 

 

 さらにツッコミどころが。トイレに行った後、少しかけあいがあり、キマリが「終わった後にはこの旅が楽しいものだって絶対思えるよ」というセリフの後、またBGMモード。

 直後、ユヅキがこう話します。「ちょっと外行ってみたいですね」

 「お、それいいな」「私も見たい」と賛同するみんな。

 開けるとそりゃ大荒れの海。

 「真っ暗ですね」「こんな海を越えていくんだね」「嵐と荒波に守られた氷の大陸」「確かにそこに行くって選んだんだよな」

 

 

 いやこんな感動的に盛り上がるものじゃないでしょ……。これ大丈夫なのか?外は一面荒波。天気ももちろん悪い。それなのに外にライフジャケットなしで飛び出す。これ管理的に大丈夫なのか?3年前に行方不明者を出している団体なんだから安全管理は徹底するべきでしょ。揺れが強いせいで頭打ったり、海に落ちたり十分にあり得る状態でした。こんな半端な覚悟のひとたち、やっぱり連れていくべきではないと思いました。う~む、やっぱり納得ができないな……。

 

 

〈第9話〉

 

 ここでは観測隊隊長の吟さんとシラセの2人の物語が展開されます。

 二人の過去、そして貴子の過去が描かれている、「よりもい」の中では一番まともだと感じた回かな。シラセが南極に行った意義をようやく感じられ、さらには深い部分まで突っ込んだ人間ドラマとしても良い雰囲気を感じました。

 

 

 でもそういう期待できた回であっただけに、最後のひどさが一層目立ちます。

 ここではようやく南極に到着することができます。待ちに待った南極。シラセにとってはどれほど望んだかわからない、母の思い出の場所。その場所にようやく到達することができました。

 

 降り立つことができる場所まで着くや否や、吟隊長はシラセたち4人に降り立つよう勧めます。

 緊張しつつも、せーのと4人でジャンプして同時に南極に降り立ちます。

 良かったなと、みんなが温かい目でシラセを見つめます。そこでシラセが放った一言。「ざまーみろ!」

 「あんたたちがバカにして鼻で笑っても 私は信じた。絶対無理だって裏切られても私は諦めなかった。その結果がこれよ。どう?私は南極についた。ざまーみろざまーみろ、ざまーみろ、ざまーみろ」

 4人でざまーみろ、最後は全員でざまーみろと遠くに言い放ちます。

 

 

 やっぱりシラセはシラセ。ひどかったな。

 これお母さんの遺品を探すという目的だったはず。あと個人的には、お母さんの思い出の地にいくことでシラセが成長するためだと思っていました。

 それなのに、ざまーみろって。お母さんのためとか、お母さんが亡くなった地点を訪れるために南極に行ったのではないのか。それなのに最初に出てきた言葉が「ざまーみろ」って。それは今まで自分をバカにしてきた人たちを見返すために南極にやってきたのか?自分のプライドと商人欲求のために南極を目指したのか。

 なんか目的が思ったのと違ったのが非常にショックでした。

 

 

 

 

 

〈第10話〉

 

 ここでもいろいろと。この回ではユヅキの悩み回です。

 

 「私たち、友達なんですか?」と悩みを爆発させます。まぁ、わからんでもない。芸能界の第一線で活躍しているんだから、そういった悩みを持っていてもおかしくはない。

 

 しかしここで登場するのが「友達誓約書」

 ①私、白石結月とあなたは、友達である、ということを約束してください

 ②この旅が終わったとしても、私たちの友情は絶対に終わらない、と約束してください

 ③どんなに距離が離れていても、私たちは友達であり続けると約束してください

 ④どれだけの時間私と会えなくても、私と友達であり続けると約束してください

 ⑤もしも時間を合わせることができたなら、何があっても必ず会う、と約束してください。 

 

 芸能界にも知り合いいないのかというほどのひどさ。メンヘラとかいうレベルじゃないでしょ……これは狂気すらえかんじるこの誓約書。これ制作するほうも良くこんなキャラ立てするよな。

 

 

 ここで悩むユヅキ対し、キマリが引き合いに出したのはめぐっちゃん。

 どうやらキマリは既読無視されようが何されようがめぐっちゃんに何度もラインを送り付けているらしい。さらにはめぐっちゃんがどんな表情しているかを勝手に想像して。これはキマリもキマリだけど、めぐっちゃんもめぐっちゃん。絶交を言い出した相手によく話ができるなと思うし、言い出された相手によくそこまでグイグイ迫れるよな。

 これも一つの友情の形なのかもしれませんが、一般的な友情とは違うと思います。だからこそ、感情移入ができるひとは少ないのではないでしょうか?これは個人的にですが、このふたりは絶交に関して何も解決していないことから、ちょっとこのやりとりが疑問でしかありませんでした。

 きちんとした仲直りのやり方をした方が共感もっと得られると思うのにな、というのが私の意見です。

 

 

 そしてユヅキが嘆いていた原因の一つでもある誕生日について。ユヅキは今まで友達に誕生日を祝ってもらっていないということを気にしていました。

 キマリ達は遅れながらもユヅキの誕生日をサプライズという形で祝います。その遅れてしまった理由が、「船酔いしてばっかりだったから」

 

 それを理由に一緒に南極向かう友人の誕生日をすっぽかすのか。それは友情じゃないだろ……。本当に誕生日ってこと忘れていたやつじゃ 

 

 

〈第11話〉

 

 これはヒナタ回。ヒナタの高校時代の話がメインになります。

 

 まぁもう嫌になりますね。

 ヒナタの自称友達が中継先に現れてから、ヒナタがイライラし始めます。

 それに対して、キマリとユヅキは全く気付かず。天然キャラというにもほどがある。こいつら本当に友達なのかなと思うほど鈍感、いや無関心。それに気づけないのによく親友と名乗れるのんが不思議でしかない。

 

 

 

 また、シラセと貴子を重ねるシーン。これがしつこいほど描写される。シラセがとある観測地に到着し、基地に報告したとき、周りを見て「チョコレートケーキに囲まれているようだ」と形容するシーン。どうやら母の貴子も同じようなセリフを言っていたらしい。

 なんだか露骨に重ねてくるんですよね。回想シーンとかではなくて「やっぱりあなたと貴子は似ている」と直接伝えて、アピールがすごい。そこまでしなくてもいいじゃんというほど。いくら吟と貴子が親友だとしても、母を亡くした悲しみがあるだろうその娘に対して、執拗に名前を出すというのは倫理的にどうなんでしょうか?故人の名前をそこまで頻繁に出さなくてもなと思いましたね。

  

 

 

 

 

 〈第12話〉

 

 ここはシラセ回。吟隊長に、母・貴子が行方不明になった内地に向かうかと質問されます。それに対してシラセが葛藤するという回。

 

なんで南極に100万円をもってきているの?

 

 シラセが頭の中を整理するとき、当然のように持ってきている100万円。それを数えることでこれまでのことを振り返ります。

 大好きだな100万円。ここまで遠慮なしに現金をかざされるとめまいを起こしそう。もうやっぱりやりすぎオンパレードですね……。

 

 悩んだ末、シラセは内地に向かうことを決意、そして内地にある基地に到達します。 

 母が行方不明になった場所にきたシラセは感傷に浸ります。 そこでキマリ・ヒナタ・ユヅキの3人は貴子の遺品探しを探します・

 「お母さんのものなんてみつかるわけないでしょ?もう3年も前なんだし?」

 そう訴えるの探し続ける3人。その時、貴子のノートパソコンを発見します。

 

 

 

 いや、シラセ。君は母の遺品を探しに来たんじゃないのか?そう第1話で言っていたじゃないか。何で急に諦めたんだ。君にとって母の存在はその程度の問題だったのか……。

 

 そしてなんでパソコンが見つかるわけ?なんで3年もノートパソコンが放置されているわけ?行方不明になったのならちゃんと私物は全部回収しろよ。そうじゃないにしても、データとか入っているかもれしないじゃん。この観測隊、管理ガバガバ過ぎない?どうなんだろ。

 

 

 

 

 

 

〈第13話〉

  いよいよ最終話。特に何もなく話が進んでいきます。ただの南極の日常みたいな。

  観測隊全員で遊んで、シラセが何故か100万円を南極に置いてきて、これからも仲良くいよう、私たちはずっとつながっているよというありきたりな締め方で終わります。

 

 もうそこまでツッコむ気力はないし、アニメの最終話っぽく締めくくれたのでいいんじゃないですかね。

 

 

 

 とまぁここまでが前置きになります。こんなに長々と記すつもりはなかったんですけどね。

 

 しかしながら、こうでもしないときちんとした制作陣に対する批判ができないのです。ようやく、ようやく話すことができます。

 

 次回、「『宇宙よりも遠い場所』が伝えたかったことは何か」という批評を掲載したいと思います。

 それでは、ありがとうございました。

 

 

 

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