本の薦め

本の紹介記事や社会問題に関する記事を書いています

【あらすじ・見どころ】『異世界居酒屋「のぶ」』

問題

臭くなくて辛くなくて酸っぱくなくて苦くもなくて固くなくて

 パンでも芋でもお粥でも卵でもシチューでもない美味しいものとは

 

〈あらすじ〉

 城壁の古都・アイテーリア。 そこで最近話題となっているお店・居酒屋「のぶ」。

 どうやら遠い異国の民族が経営しているらしいそのお店は日によって出てくる料理が違うらしい。しかし、何やら美味いエールや見たこともない料理が提供される。そんな噂が衛兵や都の住民に広がっていく。一度行った客を虜にする「トリアエズナマ」とそれに合う料理の数々!ほどよいギャグがスパイスの異世界グルメマンガ!

 

 

 

〈見どころ〉

 

 われわれ日本人にとっては日本の食文化というのは生きていくうえで避けることのできないものだし、誰もがその影響を受けてきただろう。

 だから改めて日本食のおいしさってなんだ?と聞かれると、悩む人が多いだろう。よく海外旅行に行った人たちが「海外行くと日本食が食べたくなる」なんてことを言うのはそういうことだろう。

 この作品ではそんな、「普段あまり気にしないだろう日本の食文化」というジャンルに焦点を置いている。 

 

 当たり前ではあるが私たち日本人がが普段食べている食事は、異国の人から見たら何もかもが新鮮である。

 少し日本の食文化とは外れてしまうが、例えば皆さんが夕飯にナポリタンが出てきたらどのような感想を持つだろう? おそらくおいしそうか、苦手のどちらかではないだろうか。しかし、アイテーリアの住民はまず「赤い」という感想を抱くのである。これも当たり前といえば当たり前だが、当たり前のことを改めて言われるとなんだか不思議な感じがする。

 このように見落としがちな普段の食事だが、初めて食べたときのように五感全てで味わうことの大切さも感じ取れる。

 というのもあるが、普段の食事が数段美味しそうに見えてくるのでおススメ。美味しい料理の解説をされると、普段意識しない部分のおいしさも感じ取れること間違いなし。

 

 ちなみにタイトルに居酒屋とはあるものの、お酒がメインろいうわけではなく、どちらかといえば料理がメインであるのでお酒が飲めないなんて人もそんなに心配する必要がない。グルメマンガとして気になった方は是非読んでほしい。

 

 

 最初に書いて問題の解答は第一巻四話に載っているので、気になった方はぜひ見てみてください。

 

 

〈書籍〉

蝉川夏哉 『異世界居酒屋「のぶ」』 KADOKAWA

 

 

異世界居酒屋「のぶ」(1) (角川コミックス・エース)